MEXCとKuCoinは、どちらも日本居住者が利用できる海外暗号資産取引所です。 しかし、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。
- 手数料や銘柄数はMEXCとKuCoinでどのくらい差があるのか
- KuCoinの独自トークンKCSは保有するメリットがあるのか
- セキュリティや保全体制はどちらが充実しているのか
MEXCは手数料の安さと銘柄数の多さ、KuCoinは第三者認証の取得と独自トークンKCSの配当にそれぞれ強みがあります。 ここでは、取引スペック・運用機能・独自トークンの3つの観点からMEXCとKuCoinを比較し、それぞれの違いと使い分けを解説します。 どちらの取引所を選ぶか迷っている方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
MEXCとKuCoinの取引スペック比較
ここでは、取引コストや銘柄の選択肢に直結する4つの項目でMEXCとKuCoinを比較します。
- 取引手数料|MEXCが全体的に安い
- 取扱銘柄数|MEXCが上回る
- 最大レバレッジ|MEXCが上回る
- 取引ペア数|KuCoinが豊富
以下は、2社の基本情報と取引スペックをまとめた比較表です。
| 項目 | MEXC | KuCoin |
|---|---|---|
| 設立年 | 2018年 | 2017年 |
| 拠点 | セーシェル | セーシェル |
| ユーザー数 | 4,000万人以上 | 4,000万人以上 |
| 現物手数料(メイカー / テイカー) | 0% / 0.05% | 0.1% / 0.1% |
| 先物手数料(メイカー / テイカー) | 0% / 0.02% | 0.02% / 0.06% |
| 取扱銘柄数 | 2,700種以上 | 1,000種以上 |
| 取引ペア数 | ―(非公表) | 1,300以上 |
| 最大レバレッジ | 500倍 | 125倍 |
| 金融庁の警告 | あり | あり |
| アプリの入手 | ブラウザ | ブラウザ |
※手数料率は2026年7月時点の基本料率(最低VIPレベル)であり、変更される場合があります。
取引手数料|MEXCが全体的に安い
取引手数料はMEXCがKuCoinを全体的に下回っています。
現物メイカー手数料はMEXCが0%に対してKuCoinは0.1%です。 指値注文を多用するトレーダーほど、この差が損益に直結します。
先物メイカー手数料は両社とも0.02%で同率ですが、テイカーはMEXCの0.02%に対してKuCoinは0.06%と3倍の開き。 成行注文が中心の取引スタイルでも、MEXCのほうがコストを抑えられます。
両社とも独自トークンの保有で手数料割引を受けられる仕組みがありますが、基本料率の時点でMEXCが安いため、割引を加味してもMEXCの優位は変わりません。
取扱銘柄数|MEXCが上回る
MEXCの取扱銘柄数は2,700種以上で、KuCoinの1,000種以上を上回っています。
MEXCは新興銘柄の上場速度に定評があり、話題のミームコインやDeFiトークンをいち早く取引できる環境が強みです。 KuCoinもアルトコインの取り扱いには力を入れており、1,000種以上と十分な選択肢を持っています。
新興銘柄をいち早く取引したい方はMEXCが向いています。 KuCoinは主要銘柄に加えて中堅のアルトコインまで幅広くカバーしており、1,000種の中に目当ての銘柄が見つかるケースも多いでしょう。
最大レバレッジ|MEXCが上回る
MEXCは先物取引で最大500倍、KuCoinは最大125倍のレバレッジに対応しています。 KuCoinは現物の信用取引で最大10倍にも対応しており、先物以外でもレバレッジを活用できます。
上限倍率は銘柄ごとに異なり、新興銘柄では両社とも大幅に制限されます。 倍率が高いほど損失額も拡大するため、リスク管理とセットで判断してください。
取引ペア数|KuCoinが豊富
取引ペアの数ではKuCoinがMEXCを上回っています。
KuCoinは1,300以上の取引ペアに対応しており、1つの銘柄に対してUSDT建て・BTC建て・ETH建てなど複数のペアを用意しています。 特定の基軸通貨で取引したい場合や、マイナーな通貨ペアで売買したい場合は、KuCoinのペア数の多さが利点になります。
MEXCも多数の取引ペアを持っていますが、基軸通貨の選択肢ではKuCoinに分があります。
MEXCとKuCoinの運用機能比較
ここでは、保全体制やステーキングなど、取引スペック以外の機能で2社を比較します。
- 資産の保全体制|KuCoinは第三者認証を取得
- コピートレード|両社とも提供している
- セービング・ステーキング|両社とも銘柄が幅広い
- 自動売買ボット|KuCoinの種類が多い
資産の保全体制|KuCoinは第三者認証を取得
両社ともPoR(Proof of Reserves)を公開していますが、KuCoinは第三者認証を取得している点で差別化されています。
KuCoinはSOC 2 Type IIとISO 27001の認証を取得しており、セキュリティインフラへの投資額は20億ドル(約3,000億円)と公表しています。 PoRではMerkle Treeを活用してユーザーが自身の資産の裏付けを検証でき、BTC・ETHの準備金比率は104%超です。(参考:KuCoin公式レビュー)
MEXCはBTCの準備金比率130%を公表しており、1億ドル(約150億円)規模のGuardian Fundを設立しています。 設立以来、大規模なハッキング被害の報告はありません。
KuCoinは第三者認証の取得という明確な裏付けがある一方、2020年にハッキング被害を受けた経緯や、2025年1月に米国司法省と和解した経緯もあります。 いずれのケースもユーザー資産の補償や体制強化で対応しています。 保全体制は公表データだけでなく過去の経緯も含めて判断してください。
コピートレード|両社とも提供している
MEXCとKuCoinはどちらもコピートレード機能を提供しています。
ただし、両社ともコピートレードを主力サービスとして打ち出しているわけではありません。 トレーダー数や対応する取引タイプの幅では、BitgetやBingXに及ばない状況です。
機能面での2社間の大きな差はない項目です。 コピートレードを最も重視する場合は、19万人超のトレーダーが参加するBitgetや、コピートレードの先駆者であるBingXも選択肢に入ります。
セービング・ステーキング|両社とも銘柄が幅広い
両社とも暗号資産を預けて利回りを得るEarnサービスを提供しています。
MEXC Earnはフレキシブルセービング・固定セービング・オンチェーンEarnの3種類です。 対応銘柄は幅広く、期間限定で高利回りのステーキング枠が頻繁に追加される点も特徴です。(参考:MEXC Earn)
KuCoinもステーキング・レンディング等のEarnサービスを提供しており、預けられる通貨の種類が多い点に定評があります。 高利回りの銘柄も扱っていますが、利回りは市況と銘柄により変動します。
両社とも対応銘柄が頻繁に入れ替わるため、利用前に公式サイトで最新のAPRを確認してください。
自動売買ボット|KuCoinの種類が多い
自動売買ボットの種類ではKuCoinがMEXCを上回っています。
KuCoinはスポットグリッド・先物グリッド・DCA・スマートリバランスなど複数のトレーディングボットを提供しています。 AI搭載ボットも展開しており、自動売買に力を入れている取引所です。
MEXCも自動売買ボットを提供していますが、種類はKuCoinほど多くありません。 相場に合わせて複数のボットを使い分けたい方にはKuCoinが向いています。
独自トークンMXとKCSの比較
MEXCとKuCoinはそれぞれ独自トークンを発行しており、保有することで手数料割引や配当などの特典を受けられます。 ここでは、MXとKCSの違いを以下の3つの観点で比較します。
- 手数料割引の仕組み|両社とも保有で割引される
- トークンの用途|KCSは保有者向けの配当がある
- Launchpad参加|両社ともトークン保有が条件
| 項目 | MX(MEXC) | KCS(KuCoin) |
|---|---|---|
| 手数料割引 | 最大50%(現物・先物) | 全取引20%(KCS払い) |
| 日次配当 | なし | 取引手数料収益の50%を分配 |
| 配当の条件 | ― | 6 KCS以上の保有 |
| Launchpad参加 | 1,000 MXを30日間保有 | KCS保有(条件はイベントごと) |
| トークン焼却 | あり | 四半期ごとに買い戻し・焼却 |
手数料割引の仕組み|両社とも保有で割引される
MXとKCSはどちらも保有することで手数料が割引されますが、仕組みが異なります。
MXは保有量に応じて割引率が変わる設計です。 1,000 MX以上を現物ウォレットに保有すると、メイカー0%・テイカー0.01%まで引き下げられます。(参考:MEXC公式ブログ) 割引は現物・先物の両方に適用されます。
KCSは手数料の支払いにKCSを充てる設定を有効にするだけで、全取引の手数料が20%割引になります。 保有量による段階的な割引はなく、設定を有効にすれば一律で適用されるシンプルな仕組みです。
大量保有で割引率を最大化したいならMX、少額でも手軽に割引を受けたいならKCSが向いています。
トークンの用途|KCSは保有者向けの配当がある
KCSの最大の特徴は、保有するだけで日次配当を受け取れる点です。
6 KCS以上を保有しているユーザーには、KuCoinの取引手数料収益の50%が保有割合に応じて毎日分配されます。(参考:KuCoin公式レビュー) 取引所の利用が活発なほど配当額が増える仕組みで、長期保有のインセンティブとして機能する設計。
KCSには四半期ごとの買い戻し・焼却のメカニズムもあり、総供給量を2億トークンから1億トークンに削減する計画が進行しています。
MXの主な用途は手数料割引・Launchpad参加・Kickstarter投票・エアドロップ参加です。 日次配当の仕組みはないため、MXは「取引コストを下げるトークン」、KCSは「保有して収益を得るトークン」と方向性が異なります。
Launchpad参加|両社ともトークン保有が条件
両社ともLaunchpad・Launchpoolを通じて、新規トークンを取得できる仕組みを提供しています。
MEXCのLaunchpadに参加するには、1,000 MXを30日間継続して現物ウォレットに保有する条件があります。 毎月の賞金プールは1,000万ドル(約15億円)を超えると公表されており、エアドロップの頻度も高い点が特徴です。(参考:MEXC MXトークン)
KuCoinはKuCoin SpotlightやBurningDropなどで新規トークンへの早期アクセスを提供しています。 KCS保有が参加条件になるイベントがあり、条件はイベントごとに異なるため公式サイトで都度確認してください。
なお、Launchpoolは新規トークンの獲得を目的としたステーキングで、利回りを得るEarn商品とは仕組みが異なります。
MEXCとKuCoinの比較に関するQ&A
MEXCとKuCoinの比較に関する、よくある質問と回答を紹介します。
- MEXCとKuCoinはどちらが初心者向けですか?
- 両方の口座を開設しても問題ありませんか?
- MEXCとKuCoinは日本で安全に使えますか?
- MEXCとKuCoinの間で直接送金できますか?
- MEXCとKuCoinはどちらがアルトコイン取引に向いていますか?
MEXCとKuCoinはどちらが初心者向けですか?
操作面での差は小さく、目的に応じて選ぶ形になります。 手数料を抑えて自分で売買したいならMEXC、自動売買ボットやKCSの配当を活用したいならKuCoinが適しています。 どちらも日本語に完全対応しているため、言語面で困る場面はありません。
両方の口座を開設しても問題ありませんか?
各取引所の利用規約に反しない限り、法的な制限はありません。
手数料と銘柄数のMEXC、ボットと配当のKuCoinと使い分ければ、それぞれの強みを活用できます。 資産を分散させておけば、一方のサービスが終了した場合にも対応しやすくなります。
MEXCとKuCoinは日本で安全に使えますか?
両社とも金融庁に未登録で警告を受けており、国内取引所と同等の利用者保護は適用されません。 2025年2月にアプリが国内ストアから削除されたため、利用はブラウザ経由が基本です。 規制動向によってはサービスが制限される可能性もあるため、資産を1か所に集中させない判断が欠かせません。
MEXCとKuCoinの間で直接送金できますか?
暗号資産を一方から出金し、もう一方に入金する形で移動できます。 MEXC→KuCoin、KuCoin→MEXCのどちらの方向にも対応しています。 TRC-20やArbitrumなどのL2チェーンを使えば、送金手数料を抑えられます。
MEXCとKuCoinはどちらがアルトコイン取引に向いていますか?
銘柄数重視ならMEXC、取引ペアの幅重視ならKuCoinです。 MEXCは新興銘柄の上場速度に定評があり、話題の銘柄をいち早く取引したい場合に向いています。 KuCoinは1,300以上の取引ペアを用意しており、USDT建て以外の基軸通貨でも取引しやすい環境です。
まとめ
ここでは、MEXCとKuCoinを取引スペック・運用機能・独自トークンの3つの観点で比較しました。
最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- 手数料・銘柄数・レバレッジではMEXCが優位で、取引コストを重視する方に向いている
- 取引ペア数・自動売買ボット・第三者認証ではKuCoinがリードし、運用の選択肢が広い
- 独自トークンはMXが手数料割引に特化、KCSは日次配当と手数料割引の両方を備える
- 両社とも金融庁の警告を受けており、ブラウザ経由での利用が前提
手数料を抑えて新興銘柄を幅広く取引したい方はMEXC、自動売買や配当を活用しながらアルトコインを取引したい方はKuCoinが向いています。 ぜひ両社のスペックを比較したうえで、自分の取引スタイルに合った取引所を選んでみてください。

