MEXCの先物取引では最大200倍のレバレッジを設定できますが、相場が大きく動くとロスカット(強制決済)で証拠金を失うリスクがあります。
しかし、次のような疑問を持っている方も多いでしょう。
- MEXCのロスカットはどのような条件で発動するのか
- 強制決済される価格を事前に確認できるのか
- ロスカットを避けるにはどうすればよいのか
MEXCのロスカットは維持証拠金率が100%以上になると発動する仕組みで、マージンモードの選択や証拠金の管理で回避策を講じられます。
ここでは、MEXCのロスカットの仕組みやマージンモードごとの違い、強制決済価格の確認方法、回避策について詳しく解説します。
MEXCの先物取引を始めたい方やロスカットのリスクを抑えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
MEXCのロスカット(強制決済)の仕組み
ここでは、MEXCのロスカット(強制決済)がどのような仕組みで発動するかについて、以下の順で解説します。
- 維持証拠金率が100%以上になると強制決済される
- 強制決済の基準は公正価格で判定される
- ポジションサイズが大きいほど維持証拠金率が上がる
- 強制決済は段階的に処理される
維持証拠金率が100%以上になると強制決済される
MEXCのロスカットは、維持証拠金率(MMR)が100%以上に達するとシステムが自動でポジションを決済する仕組みです。
維持証拠金率とは、ポジションを維持するために最低限必要な証拠金の割合を示す指標です。
以下の計算式で算出されます。
維持証拠金率 =(維持証拠金 + 強制決済手数料)÷(ポジション必要証拠金 + 未実現損益)
含み損が拡大してポジション必要証拠金+未実現損益が減少すると、維持証拠金率が上昇していきます。
この値が100%に達した時点で、ポジションの証拠金が維持に必要な最低額と同水準になったことを意味し、強制決済が発動します。(参考:MEXC公式)
強制決済の基準は公正価格で判定される
MEXCでは直近の取引価格ではなく、公正価格(マークプライス)を基準に強制決済が判定されます。
公正価格とは、複数の取引所の価格データをもとに算出される指標です。
一時的な価格操作や流動性の低下によって直近価格だけが急変動した場合でも、公正価格であれば実態に即した判定ができます。
取引画面のローソク足チャート上部で、公正価格・直近価格・インデックス価格を切り替えて確認できるため、ポジション保有中はこまめにチェックしておくと安心です。
ポジションサイズが大きいほど維持証拠金率が上がる
維持証拠金率はレバレッジ倍率ではなく、ポジションサイズ(枚数)によって決まります。
MEXCでは先物ペアごとにリスク制限ティアが設定されており、ポジションサイズが大きくなるほど上位のティアに分類されます。
上位ティアほど維持証拠金率が高くなるため、同じ含み損でも強制決済されやすくなる点に注意が必要です。
各先物ペアのティアと維持証拠金率は、取引画面の「先物詳細 → 情報 → リスク制限」から確認できます。
強制決済は段階的に処理される
MEXCの強制決済は一括で全ポジションが消えるわけではなく、以下の4段階で処理されます。
| 段階 | 処理内容 |
|---|---|
| 1 | 未約定注文をすべてキャンセルする |
| 2 | ロングとショートの自己売買でポジションを縮小する(クロスマージンのみ) |
| 3 | ティア別に部分決済し、ポジションを下位ティアへ引き下げて再評価する |
| 4 | 残りのポジションを破産価格で強制決済エンジンに引き継ぐ |
各段階の処理後に維持証拠金率が100%を下回れば、そこで強制決済は停止します。
段階3のティア別決済では、ポジションの一部だけが決済されて残りが維持されるケースもあります。
全額が一度に失われるとは限らない点を押さえておきましょう。
マージンモードによるロスカットの違い
ここでは、マージンモードの選択がロスカットにどう影響するかについて、以下の順で解説します。
- 強制決済時に失われる証拠金の範囲が異なる
- 強制決済価格の算出方法が変わる
- 証拠金の自動補充は分離マージンでのみ利用できる
2つのモードの主な違いを表にまとめると以下のとおりです。
| 項目 | 分離マージン | クロスマージン |
|---|---|---|
| 証拠金の範囲 | ポジションごとに独立 | 口座残高全体を共有 |
| 強制決済のされやすさ | されやすい | されにくい |
| 強制決済時の損失範囲 | そのポジションの証拠金のみ | 口座内の全資金に及ぶ場合がある |
| 推奨される場面 | 損失額を限定したいとき | 強制決済を避けたいとき |
強制決済時に失われる証拠金の範囲が異なる
分離マージンモードでは、ポジションごとに証拠金が独立して管理されます。
強制決済が発動しても、失われるのはそのポジションに割り当てた証拠金のみです。
たとえば、先物口座に1,000 USDTがあり200 USDTを証拠金としてBTCロングを保有した場合、強制決済されても損失は200 USDTにとどまります。
他のポジションや残りの口座残高には影響しないため、損失額を事前にコントロールしやすい点がメリットです。
クロスマージンモードでは、先物口座の利用可能残高すべてがポジション証拠金として共有されます。
口座全体の残高がポジションを支えるため、分離マージンに比べて強制決済されにくい点がメリットです。
ただし、強制決済が発動した場合は口座内の全資金を失う可能性があります。
初心者はリスクを限定しやすい分離マージンから始めるのがおすすめです。
強制決済価格の算出方法が変わる
分離マージンの場合、ポジションごとの証拠金・維持証拠金・オープン価格をもとに算出されます。
他のポジションや口座残高の影響を受けないため、追加注文や別ポジションの損益が変動しても強制決済価格は基本的に変わりません。
クロスマージンの場合、口座残高全体・他ポジションの未実現損益・注文証拠金を含めて算出されます。
別のポジションで含み損が拡大すると、利用可能な証拠金が減少し、既存ポジションの強制決済価格がオープン価格に近づく場合があります。
分離マージンは強制決済価格が安定しやすく、クロスマージンは状況に応じて変動する点を押さえておきましょう。
証拠金の自動補充は分離マージンでのみ利用できる
分離マージンモードには自動証拠金追加機能が用意されていますが、クロスマージンモードには対応していません。
この機能を有効にすると、ポジションが強制決済に近づいたとき、先物口座の利用可能残高から自動で証拠金が振り替えられます。
設定は取引画面下部のポジションセクションで、「自動証拠金追加」のトグルをオンにするだけです。
クロスマージンモードではそもそも口座残高全体が証拠金として使われるため、自動補充の仕組みはありません。
分離マージンの「損失をポジション単位に限定できる」メリットを活かしつつ、強制決済のされやすさを緩和したいときに活用できる機能です。
極端な相場変動では口座内の資産が全額振り替えられてしまう場合もある点に注意しましょう。
MEXCで強制決済のリスクを把握する方法
ここでは、強制決済のリスクを事前に把握する方法について、以下の順で解説します。
- ポジション一覧で推定強制決済価格を確認する
- 先物計算機で注文前にシミュレーションする
- 強制決済アラートで証拠金率の変動を監視する
ポジション一覧で推定強制決済価格を確認する
ポジションを保有すると、取引画面下部の「現在のポジション」に推定強制決済価格が表示されます。
公正価格がこの価格に達した時点で強制決済が発動するため、現在の公正価格とどれだけ離れているかを把握できます。
クロスマージンモードでは他ポジションの損益変動に連動して推定強制決済価格も随時変わるため、定期的に確認しましょう。
先物計算機で注文前にシミュレーションする
MEXCの取引画面には先物計算機が搭載されており、注文前に強制決済価格を試算できます。
「強制決済価格」機能を選び、以下の4項目を入力すると推定強制決済価格が算出されます。
- ロング/ショートの方向
- レバレッジ倍率
- オープン価格
- 取引数量
注文を出す前にレバレッジや数量を変えながらシミュレーションしておくと、想定外のロスカットを防ぐうえで有効です。
先物計算機では強制決済価格のほかに、損益・目標計算・最大オープン数量・資金調達手数料の計算もできます。
強制決済アラートで証拠金率の変動を監視する
先物取引画面の環境設定から、強制決済アラート通知を有効にできます。
維持証拠金率の閾値をあらかじめ設定しておくと、ポジションの証拠金率がその値に達した時点でMEXCからアラートが届きます。
アラートは1ポジションにつき最大30分に1回の頻度で発行される仕組みです。
常に取引画面を開いていなくても証拠金率の変動に気づけるため、ポジションを長時間保有するときに活用できます。
MEXCでロスカットを回避する方法
ここでは、MEXCでロスカットを回避するための具体的な方法について、以下の順で解説します。
- 証拠金を追加して強制決済価格を遠ざける
- レバレッジ倍率を下げてリスクを抑える
- 損切り注文を設定して強制決済前に決済する
- ポジションサイズを資金量に合わせて管理する
証拠金を追加して強制決済価格を遠ざける
ポジションの証拠金を増やすと、強制決済価格がオープン価格から離れてロスカットされにくくなります。
分離マージンの場合は、ポジションごとに手動で証拠金を追加できます。
追加した分だけ強制決済価格が遠ざかるため、含み損が拡大して強制決済が近づいたときの応急処置としても有効です。
クロスマージンの場合は、先物口座への追加入金で利用可能残高を増やします。
口座残高全体が証拠金として使われるため、残高が増えれば結果的に強制決済価格が遠ざかります。
証拠金を追加しても相場がさらに逆行すれば強制決済される可能性は残る点に注意しましょう。
レバレッジ倍率を下げてリスクを抑える
レバレッジを下げると必要証拠金が増え、強制決済価格がオープン価格から離れます。
たとえば同じ金額のポジションでも、50倍と5倍では5倍のほうが必要証拠金が大きく、強制決済までの価格変動の余裕が広がります。
初心者はレバレッジ3〜5倍程度から始めて、取引に慣れてから段階的に引き上げるのがおすすめです。
損切り注文を設定して強制決済前に決済する
あらかじめ損切り(ストップロス)価格を設定しておくと、強制決済価格に達する前にポジションが自動で決済されます。
証拠金の全額を失う前に損失を確定させられるため、ロスカットによる全額消失を防ぐ手段として有効です。
損切り価格は強制決済価格より手前に設定しておくのが基本です。
ただし、相場が急変動した場合は成行注文として執行されるため、約定価格が設定価格から乖離する場合があります。
損切り注文の設定手順については「MEXC 損切り設定」の記事も参考にしてみてください。
ポジションサイズを資金量に合わせて管理する
1回の取引で使用する証拠金は、総資産の10〜20%以内に抑えるのが目安です。
ポジションを複数に分散すると、1つのポジションが強制決済されても口座全体への影響を抑えられます。
ポジションサイズが大きくなるとリスク制限ティアが上がり維持証拠金率も上昇するため、余裕を持ったサイズで取引しましょう。
MEXCのロスカットに関するQ&A
MEXCのロスカットに関する、よくある質問と回答を紹介します。
- MEXCでロスカットされると追証は発生しますか?
- ロスカットされた履歴はどこで確認できますか?
- ロスカット後に残る資金はありますか?
- レバレッジを変更すると強制決済価格も変わりますか?
MEXCでロスカットされると追証は発生しますか?
追証は発生しません。
MEXCはゼロカットシステムを採用しており、強制決済後に口座残高がマイナスになることはない仕組みです。
強制決済されたポジションは破産価格で強制決済エンジンに引き継がれます。
損失の補填にはMEXCの保険基金やADL(自動デレバレッジ)が使われるため、追証を請求されることはありません。
ロスカットされた履歴はどこで確認できますか?
ポジション履歴から確認できます。
アプリとウェブサイトの確認手順は以下のとおりです。
| 環境 | 確認手順 |
|---|---|
| アプリ | 先物取引ページの注文アイコン → ポジション履歴 |
| ウェブサイト | 右上ナビゲーションバーの注文履歴 → 先物取引 → ポジション履歴 |
ポジション履歴には日時・損益額・強制決済価格が記録されているため、どのポジションがいくらで強制決済されたかを振り返れます。
ロスカット後に残る資金はありますか?
分離マージンでは残り、クロスマージンでは全額を失う場合があります。
どちらのモードでも、強制決済は段階的に処理されます。
部分決済の段階で維持証拠金率が回復すればそこで処理が止まり、ポジションの一部が残るケースもあります。
残る資金を少しでも増やすには、証拠金の追加やポジションの縮小で早めに維持証拠金率を下げておくのが有効です。
レバレッジを変更すると強制決済価格も変わりますか?
分離マージンでは変わりますが、クロスマージンでは大きく変わりません。
分離マージンの場合、レバレッジ変更で必要証拠金が変わり、強制決済価格も連動して変動します。
ポジション保有中でもレバレッジを調整できるため、含み損が拡大した場面で倍率を下げる対処法も取れます。
クロスマージンの場合、強制決済価格は口座残高とポジション価値で決まるため、レバレッジの変更だけでは大きく変わりません。
まとめ
ここでは、MEXCのロスカット(強制決済)について解説しました。
最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- MEXCのロスカットは維持証拠金率が100%以上になると発動する
- 強制決済の判定には公正価格(マークプライス)が使われる
- 分離マージンは損失がポジション単位に限定され、クロスマージンは口座全体に及ぶ
- 強制決済価格はポジション一覧や先物計算機で事前に確認できる
- 証拠金の追加・レバレッジの引き下げ・損切り注文・ポジション管理で回避できる
- ゼロカットシステムにより追証は発生しない
MEXCのロスカットは段階的に処理される仕組みのため、条件や対策を理解すればリスクを抑えられます。
ぜひマージンモードの選択や証拠金の管理を実践して、安全に先物取引を始めてみてください。

